2009年8月

紅葉狩りの語源・由来

紅葉狩りの語源・由来「紅葉狩り」とは、"紅葉を見に山野へ出掛けること"を意味しますが、何故、"狩り"なのでしょう?

紅葉狩りの「狩り」は、元々は獣を捕まえる意味で使われていましたが、野鳥や小動物を捕まえる意味に広がり、さらに果物などを採る意味にも使われるようになりました。

果物などを採る意味では、現在でも「いちご狩り」や「ぶどう狩り」などと言いますよね。

やがて「狩り」は、草花を眺めたりする意味にも使われ、「紅葉狩り」と言われるようになったそうです。

「狩り」が草花を眺める意味になった由来は、狩猟をしない貴族が現れ、自然を愛でることを狩りに例えたとする説もありますが、はっきりとした説はないそうです。

「狩り」と言うと、紅葉した葉などを持って帰らなくてはいけないのかと思われがちですが、赤や黄色に染まった草木を眺めに行くだけで良いのです。

きれいに紅葉した風景を眺めるだけで、心洗われ、癒されますよ。




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紅葉する樹木の種類

紅葉についての素朴疑問として、一体どんな木の葉が紅葉するのかご存知ですか?

紅葉する樹木の種類紅葉する樹木は主に落葉樹ですが、大きく分けて紅葉、黄葉、褐葉するものとの三つに分けられます。

紅葉するカエデ科、ニシキギ科、ウルシ科、ツツジ科、ブドウ科、バラ科、スイカズラ科、ウコギ科、ミズキ科の植物。

黄葉するイチョウ科、カバノキ科、ヤナギ、ニレ科、カエデ科、ニシキギ科、ユキノシタ科の植物。
褐葉するブナ科、ニレ科、トチノキ科、ズズカケノキ科の植物。

といった種類に分類できます。


紅葉する樹木 カエデ、モミジ、ヌルデ、ナンキンハゼ、ナツヅタ、カキノキ、山ハゼ、ヤマウルシ、ヤマザクラ、ナナカマド、カマツカ、メギ、ヘビノボラズ、サクラ、ナンテン、シラキ、ヤマボウシ、ガマズミ、 コバノガマズミ、マユミ、コマユミ、ニシキギ、ニワウメ、ドウダンツツジ、ハナミズキ、マルバノキ、イワシデ、ニシキギ、カマツカ、カキ、ナンテン、ヤマブドウ、ツタ、ナンキンハゼ、アメリカフウ 等
黄葉する樹木 イチョウ、コナラ、ブナ、クリ、クヌギ、アベマキ、エノキ、ムクノキ、ケヤキ、アカメガシワ、マンサク、カツラ、ヘラノキ、クロモジ、ヤマコウバシ、ダンコウバイ、エノキ、シバヤナギ、クマシデ、シラキ、コナラ、ダンコウバイ、カツラ、ユリノキ、イヌシデ、プラタナス、アオギリ、コブシ、氏モクレン、ハギ、ザクロ、カラマツ、ブナ、シラカバ、トネリコ 等
褐葉する樹木 ブナ、ミズナラ、カシワ、ケヤキ、トチノキ、スズカケノキ 等

※樹木によっては、両方の色を示す場合もあります。

樹木によって街路樹として利用されるものや、山間部で自生する樹木など様々です。





紅葉のしくみ

紅葉のしくみ なぜ樹木は、紅葉するのでしょうか?紅葉のしくみには、こんなメカニズムがあります。

樹木は葉で光合成をして、自らが生きるためのエネルギーを作りだしていますが、秋になり気温が下がると、光合成が不活発になり充分なエネルギーを作りだすことが出来なくなります。

そうなると樹木は葉を落として、葉を維持するための余計なエネルギーを使わなくします。これは落葉という現象です。紅葉は、その前段階のプロセスです。

初秋から冬にかけて気温が低下していくと、葉を落葉させるために、葉柄の付根の部分に離層と呼ばれるコルク層が形成されます。

これができると、葉と枝の間で水や光合成で生産された糖などの養分の流れが妨げられてしまいます。その際、葉を緑色に見せていた葉緑素の「クロロフィル」が老化、分解されます。

光合成により作られた糖分が葉に蓄積されて「アントシアン」という赤い色素や「カロチノイド」(カロチン類、キサントフィル類)などの黄色の色素が目立ってきます。

これらの過程を経て、色素が絶妙なバランスで混ざり合った時、紅色、黄色などの見事な紅葉が現れてきます。やがて葉は離層のところで切り離され落葉します。

モミジ、カエデ、ウルシ、ナナカマド等は「アントシアン」によって赤くなり、イチョウ、コナラ、ブナ等は「カロチノイド」によって黄色くなるということです。

ところで、このように紅葉のしくみが分かったとしても、「一体、落葉樹が生きていく上で紅葉は何の意味があるのか?」ということは謎のままなのだそうです。紅葉は虫へのサインだとか、光合成機能の衰えた葉緑体を守るためとか諸説ありますが、まだ定説はないようです。 





紅葉狩りの歴史

紅葉狩りの歴史 日本を代表する古典、「万葉集」「源氏物語」「百人一首」などにも紅葉狩りのことが登場するほど、古くから紅葉狩りは存在し、楽しまれてきました。

もっとも古くは、貴族の遊びとして平安時代に楽しまれ、庶民が親しむようになったのは江戸時代の頃からといわれています。各地のお殿様は、家来をつれて紅葉の名所を訪れ、庶民も紅葉狩りへと出かけています。

江戸時代には、8代将軍吉宗が飛鳥山に、桜とカエデを植樹したといわれています。この飛鳥山は、下谷の正燈寺、品川の海晏寺と並んで紅葉の名所だったそうです。

明治時代にもなると、紅葉狩りは人々の中に定着し、紅葉狩りを楽しむために旅行したりすることも普通になりました。温泉好きの与謝野晶子は、温泉と紅葉狩りをかねて各地を旅しています。

こうして、紅葉狩りは現代に受け継がれています。平安の昔から現代まで、紅葉の美しさは人々を魅了しています。




紅葉する条件

紅葉する条件木や場所によって、紅葉の進み具合が早かったり遅かったりもしますが、どのような条件が揃うと、紅葉するのでしょうか?

紅葉するために必要な「アントシアン」の合成には、空気中の温度や光の条件が重要になります。

まずは、1日の最低気温が10℃以下の日が続くと色付きはじめ、さらに5℃以下になると一気に紅葉が進むと言われています。

もう一つ大切な条件は適度な水分。
水分不足だと紅葉しないうちに枯れてしまうので、適度に雨が降ることや、水分の多い場所が適した条件となります。

紅葉の条件が揃うことによって、離層の形成や葉緑素の分解、糖分の蓄積などが強力に促進されます。

同じ場所の紅葉でも、色合いというのは、不思議と毎年違うものです。色合いのすばらしい年もあれば、いまいちな年もあります。違いがおこる要因には、環境の違いや、その年の気象等に関係します。

また、根がしっかりはっている大木は養分が葉先までいきわたるのに時間がかかるため、色づくのが遅いそうです。

寒い季節が到来するのは、ちょっと嫌だったりもしますが、紅葉を楽しむためには、気温の低下は絶対条件なのですね。




美しく紅葉するには

美しく紅葉するには 紅葉する条件となるのは「気温」「太陽の光」「水分」の3つがポイントですが、紅葉がもっとも美しくなるためには、これらの条件がより好条件になると、より美しい紅葉になります。

「気温」は、昼と夜の気温の差が大きいほど紅葉は美しくなります。

温度差が15℃あると飛躍的に進みます。この温度差によって紅葉のメカニズムが促進され、葉の色合いもよくなり、木々が一斉に紅葉するので美しい紅葉となります。

「太陽の光」の光合成で、赤い色素となる糖分が作られますので、強い直射日光が必要となります。また同じ木でも日当たりの良し悪しでも紅葉が違くなる場合もあります。

「水分」は、乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまいますが、大気の乾燥による地中水分の減少、が美しく紅葉する条件と言われています。

その他、詳しいことはわかっていませんが8~9月にかけての気温や台風の影響などによっても色あいが変わるといわれています。

渓谷や川沿いには、これらの条件を満たす場所が揃っているため、紅葉の名所として多くあります。

光合成を十分行えない場所や、大気汚染のひどい土地、大気中の適度な湿度がないなどの場合、美しい紅葉を楽しめないことがあります。

温暖化や大気汚染によって、鮮やかな紅葉が見れなくなることが危惧されます。




モミジとカエデ

紅葉:モミジとカエデ モミジとカエデの区別ってつかないなぁ‥と思っていませんか?

一般的に、紅葉を見に行くことを「紅葉(もみじ)狩り」といいますが、モミジと名のついた全ての植物はカエデ科の植物で、植物分類上では、モミジという植物はありません。

楓(カエデ)という名前の由来は万葉集にあるといわれています。楓の葉の形がカエルの手に似ていることから「かえるで」と歌に詠まれていました。

モミジを大辞林でひくと、「秋の終わり頃、木の葉が赤や黄などに変わること」とでています。このことから、モミジとはもともと紅葉することを指していた言葉だった様です。しかし現実には、カエデのことをモミジと呼んだりして、カエデの別名として使うことが多く、また、大半の場合モミジで通じるようになっています。

つまり一般的には、モミジとカエデは、同じ植物ということですね。

ちなみに、盆栽界ではモミジとカエデは区別されていて、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、トウカエデ(切れ込みが3つのもの)をカエデと呼んでいます。

また、園芸界では、葉の切れ込みが深いものをモミジ、浅いものをカエデと呼んでいます。




紅葉前線

紅葉前線 紅葉前線とは、よく聞く桜前線や花粉前線などのように、紅葉の進む様子を地図の上に線で結んだもので、緯度と標高差の組合わせからなるものです。

毎年、気象庁が正式に発表し、ニュースなどでも話題に上りますよね。日本ならではの季節予報で、桜前線同様に風流な予報です。

農業国だった日本では、サクラの開花は農作業の準備の目安。紅葉は冬支度の始まりと、季節の移り変わりが生活の尺度でもありました。

紅葉前線は、日本列島の北から南へ進みます。

イロハカエデの紅葉前線は、約50日で日本列島を南下し、その速度は1日平均約27kmと言われています。

紅葉は9月頃から北海道の大雪山を手始めにはじまり、徐々に南下していきます。大平洋の海岸部では12月初旬までかかり、山間部と平地では温度の違いから紅葉の進み具合が違います。

紅葉が始まってから完了するまでは約1か月かかり、見頃は開始後20~25日程度になります。





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